救急タダvs救急車タダ
残りわずかのオーストラリアンライフに涙しているおがです。
ただし一つだけGPにも寄らずに直接公立の高次医療機関を受診し無料で医療を受けられるかもしれない道があります。
もちろん本当に緊急度高くEDに運ばれる人もいますが、大多数は導入で触れたように、無料の高次医療目当てです。
診察の結果、帰宅させるのは危ない・入院させた方が良いという判断になったら、みなさんご存知の通り、EDから各科へのコンサルト依頼が行きます。担当科の先生と病棟の空き具合を総合的に判断して入院の可否が決まるという流れでした。
以上、ちょっと長くなってしまいましたが、EDの話でした。
最後にGPの話をしたらおがもおとなしく日本に帰ることにします。
忘れないうちに感じたこと投稿しておきたいと思います。
本題に入る前に、オーストラリアの医療制度について軽く触れておきたいと思います。
日本との一番大きな違いはGeneral Practitioner(=かかりつけ医、以下GP)が中心となっている体制だということです。
日本だと公立・私立にかかわらず処置自体は国民健康保険で3割負担、入院費用等が病院によって異なる、という形態です。その病院はというと、1次医療として地域の開業医があって、2次医療として地域の中規模病院があって、3次医療として大学病院などの専門的な特定機能病院が存在します。数時間単位の待ち時間と初診料を気にしなければ、紹介状がなくても基本的にはどの病院にも行くことができますよね。逆にどこへでも行けるから、この症状では何科に行けばいいのかわからないという患者さんの悩みにつながるのかもしれません。
オーストラリアでは大きく、一次医療としてのGPと、高次医療としての公立・私立病院という分類になります。公立病院では医療費は公立保険のおかげで、オーストラリア人ならばなんと無料になります。ただしGPからの紹介状がなければ公立病院で高次医療を受けることができません。また、たとえ紹介状があったとしても重症で緊急度の高い患者が優先的に割り込まれるため、症状の落ち着いている慢性疾患は数ヶ月単位で待つというのも多く見られます。このため経済的に余裕がある人は私立病院で高次医療を受け、公立保険でカバーされない差額分を自己負担するということもざらにあります。
それが今回お話する “Emergency Department”救急部(以下ED)です。
あれ、あいつ救急回ってないのにーと思うかもしれませんが、呼吸器内科で慌ただしかったという僕の愚痴覚えていますか?(笑)
EDでは入院が必要そうな症例については、入院前に必ず担当内科コンサルトを入れます。逆の立場からすると、内科の先生方は、軽症でない用件で突然EDに呼び出されるということなのです。呼吸器内科時代に何度肺塞栓症が来たことか。。。
EDでは入院が必要そうな症例については、入院前に必ず担当内科コンサルトを入れます。逆の立場からすると、内科の先生方は、軽症でない用件で突然EDに呼び出されるということなのです。呼吸器内科時代に何度肺塞栓症が来たことか。。。
それはともかく、早速EDでの流れについて見ていきましょう。
24時間体制のEDには、walk-in(たいていはwalkではなく自家用車だけどね笑)も救急車もひっきりなしに来ます。なおオーストラリアの救急車は一回約5万円しますが、学生・年金受給者・交通事故の場合など無料で乗れる例外条件も多いみたいです。
そのためEDに到着するとまずは専用のガイドラインに基づいたトリアージを受け、「直ちに蘇生が必要」から「非緊急」までの5段階に分類されます。そして重症度順に医師が診察していきます。
ここで興味深かったのは看護師の仕事範囲が広いこと。看護師は3つに分けられ、トリアージ・臨床(一般的ないわゆる病棟業務)・ベッド管理(退院、内科へ入院などEDのベッドの回転を専門的に担うベテランさん)を分担して実施していました。
キャンベラ市内には公立病院が二つしか存在しないため、東京のように隣の大学病院の救急部にというようなことができません。しかもキャンベラ病院の方が規模が大きいため、公立病院最後の砦として、一時的に廊下にベッドを置いてでも一切患者を断らないのです。
そのため回転が命。多職種が別々の役割を果たしながら動いている姿は印象的でした。
最後にGPの話をしたらおがもおとなしく日本に帰ることにします。
ではまた!
おが
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