MGH腎臓内科


日本はすでに初夏の気候と聞いておりますが
皆さまお元気ですか?

久しぶりに腰を上げて書きます。Riekoです。

今月はMass Generalの腎臓内科で実習していました。もうすぐ終わりそうですが、、

なんと、このクールの始まる前の週の金曜になって、それまで小児神経科を回る予定だったのが勝手に変更されてしまいました。なにがあったんでしょうね、、、
皆さん!連絡が来ないときはすぐに本部(HMS)に連絡して確認することをお勧めします!!

それはさておき、腎臓内科はとても忙しい科です。始まるまで、正直「外科に比べたら絶対ラクでしょ♪きっと透析とかでゆったりした科なんだろうな〜」と思っていたあの頃の自分を殴りたいです。() 腎臓内科はConsult, ICU, Dialysis, Transplantの4チーム制で、それぞれのチームにFellowが1人ずついます。つまり、当直は4日に一度。Oh, Jesus Christ...

うーん、学生の相手をするには少々忙しすぎる印象...ちなみに、学生は担当患者のカルテの他に、尿沈渣(尿を遠心分離して顕微鏡下で赤血球や白血球、病的円柱などを観察する)をちょこちょこやります。烏賊鹿の6年でこんなに尿沈渣を自らやってる学生は私くらいに違いない...(専用の部屋は微かに尿の臭いがします^_^)

実は、昨日担当していたICUチームの患者が亡くなりました。今までの日本での実習生活を含めて初めての経験でした。透析のラインが閉塞してしまい、なす術が無くなってしまい、患者の家族がCMO (comfort measures only: 簡単に言えば、もう何もしないこと)を希望したため、抜管されすぐに亡くなりました。翌日、リストから名前が消え空の病室を目にしたときはいたたまれない気持ちになりました。

お判りかと思いますが、ICUは癌(特にリンパ腫)の化学療法中の患者が多く、本当に”sick”な患者が多いのです。把握しなければならない被疑薬の数もそれだけ増え、常に循環動態は不安定、バンバンくるAKI(急性腎障害)のコンサルト...

これがいまの2週間ですが、その前の2週間はConsultチームにいました。ICU以外の他科の入院患者のコンサルトです。ここでは、薬物中毒患者も稀ではありませんでした。また、嚢胞性線維症など、日本では聞きなれない病名に恐ろしく複雑な病態、(今もですが)毎日何かしら論文を読んで勉強しないと患者の病態が把握できませんでした。

腎臓内科は、循環器を始めとし、ほぼ全ての臓器を対象としています。それゆえ、求められる知識も幅広いのです。診断がまだつかない段階では、これって膠原病(Rheumatology)では...?とか思う症例もよくコンサルトされます。実際、後からEGPAの診断がついた患者もいました。

今まで気づかなかった(正確に言えば今一興味をもって勉強してこなかった)腎臓の奥深さにやっと触れ始めたところです。

ところで、腎臓内科の先生に言われて知ったことなのですが、日本ではPD(腹膜透析)が広く普及していますが、アメリカではまだまだ認知度も使用率もHD(血液透析)と比べると低いそうです。これは、様々な人種が集まり、あらゆる知能レベルの人に腹膜透析の仕組みや取り扱い方(主に感染のため)を教育するのは非常に困難だからだそうです。その点、日本は進んでいるねと言われ、今まで気づかなかった日本とアメリカの差(非常にニッチな部分ですが)に気づかされました。


では、引き続きほかの方のブログもお楽しみ下さい!

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