MGH外科!!

こんにちは。
Massachusetts General HospitalのGeneral Surgeryで実習している山本です。

外科の1日について紹介したいと思います。

6am :morning round : senior resident, resident, medical studentから成るチームで入院患者を管理している。朝の回診。受け持ち患者の病室を訪れて、まず病室の前で学生orレジデントが24時間以内の出来事、 vital sign, In/Out(体液の評価)、lab data(血液検査)、physical exam(身体診察)、assessment & plan(cv循環、gi消化器、gu泌尿器、endocrine内分泌などsystemごとに)を1-2分くらいで簡潔にプレゼンします。そのあと病室に入り患者さんから状態を聞いたり今後の方針について説明するといった流れです。

7:45am-5pm : 一件目の手術開始は日本より早く、8時前にはスタートします。。基本的には1人のattending doctor(指導医)の手術に1日scrub in(術野に入ること)します。ORに入ったら、まずcirculatorやscrub nurse に自己紹介して、手袋のサイズを伝えると用意してくれます。1つの手術に入るdoctorは大体attending 1人とresidentやfellow1人なので、学生はretractor (視野の確保のために臓器を抑えたりする)だけでなく、suction (血液などの吸引)、stitch(縫合:真皮縫合や皮膚縫合)をやらせてもらえます。手術中は、attendingによっては症例について質問してくる場合もありますが、大抵はとても優しい人が多いです。今まで怒られたのは、手の拭き方が適当になってしまった時と、腕をコンタミ(不潔な場所につけてしまうこと、説明しなくても分かりますね笑)時だけです。ORの中はattendingの好きな曲がかかっていて、ロックみたいな曲で本当に集中できるのか心配になるような曲を聴きながら執刀しているdoctorが多いです。

5:30- 6pm : PM round: チームの夕回診。ここではプレゼンは求められませんが、上級医は1日手術や処置、オーダー、カルテやサマリーの作成で忙しいので、受け持ち患者については彼らが忙しくて手が回らない細かなことを学生が把握していることが望ましいです。実際、チャットで1日中レジデントや学生がチームの一番上のsenior residentに血液検査の結果や患者の様子、術後の痛みの変化などを報告して、退院などの重要な指示をsenior residentがしたらresidentがそれを反映させるという感じです。

上記が大体の1日の流れですが、曜日によってはattendingがレクチャー(teachingと言っています)を行なってくれたり、また毎週水曜日の夕方にはGI round(General surgery全体の偉い先生が沢山くる症例報告会)、木曜は朝から他大学の先生が招待されて講演するgrand round、またここ最近の患者の中で特徴的な経過を辿った症例についてresidentが発表する症例報告会が、operating theatreという場所で行われます。教育が目的なので、学生やresidentは必ず出席します。日本とまったく違う点は、GI roundでは毎回cateringでフルーツやチーズが食べれる所でしょうか。笑

3週間を終えた所で自身として成長したと感じられたことは、まず朝の英語でのプレゼンです。毎日2人発表するのですが、プロセメで半年アメリカにいたとはいえ、カルテの医療用語はabbreviation がバンバン使われており初め見たときは暗号かと思いました。でも、毎朝回診の1時間くらい前に病院について一つ一つ言葉を調べたり、同じチームの学生(ハーバードの2年生で恐ろしく有能)の回診を真似したり、residentからもらったfeedbackを基に徐々にorganaizeすることができ、今では、だいぶ余裕が出てきました。日本と特に異なる点は、学生であっても必ず自分なりのplan(食上げなど細かいことまで)が求められる点です。違っていても、それは全く怒られることはなく、上級医が指摘してくれるだけです。上達してるね、と言われると本当に毎朝の早起きが報われている気がして笑、嬉しくなります。

手術の面白いと思った点は、日本でももしかしたらそうなのかもしれませんが、attendingによって全くやり方が異なる所です。お年を召した名物の先生は、なんとcauterization(電気焼灼)を殆ど行わずに全てモスキートで結紮する人がいます。チームは主にEndocrine surgeryなので、甲状腺摘除が多いのですが、反回神経をモニタリングする人としない人がいます。(詳しく書く元気はないので、気になる人は調べて下さい。)
日本の大学病院のように教授の権力が絶対ということはないので、皆それぞれのdoctorに違うやり方があり、一緒にscrub in するresidentやstudent, OR nurseはそれを考えて合わせてやる必要があります。

長文で失礼しました。今後ハーバードの外科で臨床実習を考えている人の参考になれば幸いです。

山本
(もし質問があれば130962ms@tmd.ac.jpまでお気軽にどうぞ!返事は多少時間がかかるかもしれませんが。)

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