実習at Vanderbilt -児童青年期精神科-
こんにちは。Vanderbiltで実習しているMarieです。
今日はまた実習のお話に戻り、児童青年期精神科について書きたいと思います。
児童青年期精神科、日本では聞きなれないですが、その名のとおり子供の精神科です。自閉症や発達障害など先天性とされているものから、PTSDなど後天性とされているものまで、幅広いジャンルをカバーします(とはいえ、多くの精神疾患は先天性・後天性という二項対立ではないので、分類がなんとも難しいですが)。
そしてこの児童青年期精神科診療というのが、私がVanderbilt に来ることにした一番の理由だったのです。というのもVanderbiltはめちゃくちゃ精神科診療に強い!精神科だけでなんと5つものサブスペシャリティがあるという万全の診療体制に加え、研究実積はアメリカの中でもピカイチです。精神科を目指してVanderbiltに、なんて生徒も一定数いるそうです。
このためか、精神科実習はどれも人数枠が少ない上にVanderbilt学内での競争率も高く、実習希望を出しても通らないことが多いです(実際、私自身も最初の方の投稿で血液腫瘍科と小児外科をローテートする予定です、と書いたようにもともとは精神科の実習はできない予定でした)。しかし今回こちらで交渉を重ね、なんと幸運なことに色んな方の協力をいただいて2週間、児童青年期精神科をローテートすることができました。勝手をどこまでも聞いてくださった先生・スタッフの皆様には本当に感謝しきれません。
私が今回扱ったのは、どちらかというと後天性というジャンルに含められるもの。自殺願望や暴行被害後のPTSDの他、薬のオーバードーズ、極度の不安障害...日本では考えられないような症例まで、興味深い症例をたくさん扱わせていただきました。児童と成人での問診の方法もだいぶ異なり辛んせんだったので、2週間、最初から最後まで本当に楽しい実習になりました。空き時間にはVanderbilt Psychiatric Hospitalで成人の外来を見学させていただくこともできました。
こころの病に苦しむ子どもはどの国にも一定数います。先天的な障害はもちろんですが、子どもたちのこころは特に繊細で、文化や生活環境が精神面に大きな影響を及ぼします。日本では、震災やいじめ問題でこころに傷を負ってしまう子どもたちが数多くいる一方で、日本の児童青年期精神科の数が極端に少なく、じゅうぶんなケアを提供できていないのが現状です。今回いただいた貴重な機会を通して、児童・青年期の患者の精神科診療の特徴を学ぶことができたと同時に、日米の児童青年期精神科の診療体制の違いを痛感しました。
今回はこの辺りで。次回は現在回っている小児外科についてお話します。
今日のおまけ
小児外科が始まってから、まともに食事を作ることがなくなりました。 CUP NOODLE、3食1ドル。救世主です。 |
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