実習at Vanderbilt -小児外科-


こんにちは。Marieです。
突然ですが、何を隠そう私はもともと日本ではアグレッシブな方です。行動力だけはある、といった感じ。しかしそんな中途半端なアグレッシブさでは到底太刀打ちできないのが、現在ローテートしているPediatric Surgery。一日の流れは
5:15- Pre Rounds
6:00-7:00 Morning Rounds
7:30-17:30 手術参加
17:30-18:30 Evening Rounds
で、これが週6日。週に4度ConferenceやGrand Roundsというカンファやレクチャーが入ります。朝回診と夕回診では担当患者のプレゼンをします。手術では一日平均3, 4件術野に入って、吸引・視野確保・縫合など、先生方をアシストします。手術の合間には、担当患者の日中の経過もフォローしなくてはなりません。

このPediatric Surgery、興味があるから回ってみたいとやや気軽に選択したのですが、最近になって実はVanderbilt二大ハイパー科のうちの一つなことが発覚しました。。。(ちなみにもう一つはTrauma、成人の外傷科)先月までとは一転、毎日精一杯です。普通に紹介するのも飽きたので、いくつか個人的事件をピックアップしてご紹介します。


その1. 朝回診でのプレゼン
他の科同様、回診では学生もプレゼンテーションをしますが、何せ時間が厳しい!朝回診では階段を上り下りしている間に20秒くらいで超簡潔にプレゼンする必要があります。ぼーっとしてるとプレゼンの機会を逃します。次にどの部屋に行くのか、次の患者が担当患者かどうか、そして次の部屋まで行く時間を一瞬で計算してそれに応じて経過の大事な部分だけをピックアップしてプレゼンして...来て数日は自分の無力さに正直泣きそうになっていましたが、3週目、かなり上達しました。夕回診はもう少し時間に余裕があります。


その2. 担当患者が10人!?
担当患者は面白そうなの勝手に選んでいいよと言われたので、3人チョイスして経過をフォローしていました。すると、翌日の回診でまさかの出来事。Fellowがいきなり知らない患者さんの前で「じゃあこの子のプレゼンして」と言ってきたのです。やばい、と思いつつ手元の患者一覧表にあった手術要約だけを頼りに当てずっぽうを言いました。もちろん間違っていて、Fellowが優しく丁寧に教えてくれたのですが、その時に「もしやこれはこのFellowのチームの患者全員の把握をして、誰についてもプレゼンできるようにしとくのが要求されているのでは...」と察し、その日から自分の担当患者が10人に急増しました(笑)。案の定、その翌日の回診でまた無茶振りをされたので、半ばドヤ顔でプレゼンしたら、普段無表情のFellowがニヤリとして一言、”Good job.”。結構嬉しかったです。が、10人、はっきり言ってしんどかった。今は6人に減りました。まだ大変です。


その3. 夜当直
さて、日本の実習との大きな違いの一つは、夜当直を学生も行うという点かもしれません。夜当直は、当直担当のインターン、その面倒見役のMoonlighter(レジデントかFellow)、Attendingというチーム構成で行われます。これに週に1, 2回、学生が参加します。学生だし12時過ぎくらいには寝かせてくれるかな...と思っていました。。。が、始まってみたら、寝る時間なんてない。次から次へと患者がやってきます。なんでこんな患者が来るんだと思っていたら、どうも小児外科は小児の外傷患者全てを診るというお役目もあるらしいのです。やれ銃で打たれた、やれオートバイから落ちた、やれ大型犬に噛まれた...。中には緊急手術が必要なケースもあり、先週は夜間だけで3件の手術に参加しました。日中の手術と合計すると実に35時間で7件(夜当直の前後の日中も普通に実習があります...)。当直中はインターンやMoonlighterと実習に関連がある話ない話ができて楽しいですが、終わった後の疲労は半端じゃありません。くったくたです。体力。

他にもいろんなハードルがありますが、実習自体は有意義!先生方、レジデント、オペ看、全員がとにかくたくさん教えてくれます。学ぶことが多いです。が、何せ常に全力でこの実習時間。本当に大変です。アメリカの外科医はタフですね。

ナッシュビル滞在もあと一週間程度になってしまいました...!早い〜びっくりです。次回がおそらく最後の投稿でしょうか。ご期待ください!




本日のおまけ


Vanderbilt二大ハイパー科の一つで実習を3週間やり、心と体がしんどくなって来たタイミングで引っ越し。
hostの小さなサプライズで、元気を取り戻しました。





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